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  下絵に付いてのこだわり・・・水引家紋を確立するにあたって自分達がこだわって来たこと其の一

 家紋とはいったいどんな絵でしょう?考えてみたことはないかと思われますが、よくよく考ますと、想像以上にあいまいで、想像以上に厳密な画であります。

 さて、皆様が多く目にする家紋の姿は、「墓石」であったり、「紋付」、あるいは「提灯及び提灯箱」などでありましょう。
 ところが、同じ家紋であっても何に描いたか?何で描いたか?によって姿が違っているように見えたことがある方もいらっしゃるでしょう?実は、家紋は「何に描くか」または「何で描くか」によって、姿が変るのです。
 
 墓石の家紋
今日では多くは機械で彫ることが多いと聞いておりますが、どんな方法で描くにせよ石は「欠ける」という性質がありますので、「欠け」ることを考慮した下絵を用いているようであります。
 石に家紋を描く場合、多くは線を太くしておるようで、墓石の紋を見て、丸輪ではなく二重輪に入るものだと思い込むケースも多く経験しております。
 かつては、小さな地域ごとで、石屋様等が手描きで「石」専用に割り出しを行って下絵を描き、彫っていたようで、地域性が顕れる場合も多く有ったようですが、それは素材の持つ制約に沿って家紋を描き、彫ったからであると考えられます。
 墓石の家紋は、家紋としての「画的」な完成度は出すことが難しいことが多かったようですが、素材の半永久性という飛びぬけた性質から、百年単位で家紋を伝えてきているのも墓石の家紋であります。
 
 紋付の家紋
紋付の家紋は、ある意味最も正しい「絵図」としての家紋です。紋章上絵氏の方々は、「ぶんまわし」と言う「ふでこんぱす」・溝ひき定規等を駆使して、図形的に厳密な割り出し・割り方を行い、染め抜きようの型を作成し、型を染め抜いたところに筆描きで線画を行っております。
 この紋付の家紋は図形的な厳密さが高く、また「手描き」の美しさと「味」というものがあります。描き手の感性が発揮されるところが素晴らしいものであります。
 ただ、「味」の根源を成す「筆の線」は、その「太さのむら」こそが筆勢であり、本質でもありますから、「型」の厳密さに相反して描き手に依存した「描」としての面があります。
 所謂「家紋帳」の家紋が紋付の家紋でありまして、これをコピー機等で拡大縮小してみるとわかるのですが、線の太さむらのために比率に絶対性が無く、簡単に柄や模様・構図が潰れてしまうのです。つまり工芸品の下絵には適していないのです。
 というか、やはり紋付の上に手描きされてこそのものであり、そのための様式であると言えましょう。
 そもそも紋帳は「これを目安に自分で割り出して、自分の筆で描け」と言うものだと、紋章上絵氏の方から聞いた事もあります。

 提灯・提灯箱の家紋
提灯の家紋は、曲面に書くためのものなので独特の様式を持っていることがあります。例えば木瓜の中心の円は塗りつぶさない・柏、蔦、の葉脈は減らして描く等がしられていますが、所謂家紋帳の家紋とは異なった姿に描かれることも多々有るものであります。
 描き手の方は提灯のための様式で書くのであって、わきまえて、理解があって書くものですので、家紋を曲げたわけでも、勝手に変えたのでも無いのですが、姿が変わることがあるのです。
 
 家紋は、何に描くか、何で描くかによって、「線の幅」の基準や性質が変ることにあわせて比率を変えて描きなおされるものと思っていただけるとわかりやすいかと思います。

 また、染めであったり、瓦であったり、塗りであったありと、所謂「工芸」系の家紋は、素材の性質に合わせることが、「画の図形化」となることから、素材の性質に合わせた図形化が行われることが多いものです。
 ただし、御大名家等のためのあつらえ物以外の場合は、ある意味「量産用の統一規格化」
と言う側面があり、画としての美しさや味に欠ける下絵ができてしまうことが多く。また全部の家紋を網羅することが事実上不可能な事から、統一規格化ができている物がカタログかされ、カタログに載っていない紋章は作れないという場合が多く有ります。
 
 ↓代表的な割方・割出しの例(平安紋鑑等より)

 厳密な数式として書いてないですが、見ればとても厳密な数式であることがわかると思います。  

  
  私どもの下絵、そして作品
 
 私どもは水引細工師です。水引細工の技術が総てで、六メートルの竜から三センチのブローチまで、注文を受けたなら作れないといって諦めることの無いよう常に全力で完成させてきました。
 そういった中で水引細工の家紋の注文を受けて、作成する際に何時も大切にして気他のは、水引で作ることによって縁起の良さと、紋章の持つ美しさと意味・内容が表現されるようにということでした。
 水引細工は、指先から水引にお願いをして、心を込めて細工するものです。本数の約束事からはじまり、結びの意味内容・色の組み合わせの意味内容を必ず重んじて、素材を敬い、用いる人を思いやる心で細工するものです。
 同様に家紋にも、家紋の約束事や意義・内容があるものですから、作成のたびに其の時其の時に向かい合う家紋の意義・内容を学び、その紋章の美しさを構成する図形的な美と、込められた思い・由緒を分析しました。
 結びを行わない水引細工ですから、最初は戸惑いもし、抵抗もありましたが、全力で取り組み、試作を重ねる中で気が付いたことが、「平行線の美」ということでした。
 水引細工は、複数の水引を、「平に揃えて結び」形を作ります。出来上がるものは、平行線によって構成された直線と曲線の交差と並列で描かれます。この「平」と「揃う」こそが、水引が縁起の役目を担うこととなった大きな要素ですが、平に揃った平行線によって描かれた家紋がとても美しいのです。
 遠く飛鳥の時代にその起源を持ち、国風文化の平安期に確立した水引は、その幅・しなやかさ・厚さ等総合的な質感と数値的な寸法サイズが、平行線で形を描くことに最も適した物であるということに気が付いたのはその時でした。
 数百年の歴史の中で、洗練に洗練を重ねて定まった水引の寸法の持つ力に気付いた自分達は、水引は家紋を最も美しく描ける工芸素材に成り得ると考え、水引で家紋を描くために最初の最初「半径」を水引では何本分と定めるか?という難問から取り組み、「色紙サイズの紙の上にどのような家紋でも描くことができる」半径を定義し、あらゆる家紋を平行線によって美しく描いて下絵の様式を確立しました。
 同時に平行して行ったのは、家紋と模様の歴史を調べる事と、その様式美を決めている決定的な要素の分析でした。
 模様にも、水引同様に中国文化の故事や陰陽五行に基づく「縁起」が込めれているものなので、こちらはすんなりと把握・理解できましたが、家紋の歴史は日本史を文化史面から見つめなおすことと、また日本史を様々な立場に立って、それぞれの立場の当事者の気持ちを思って見つめなおすことでありました。
 人の行い・判断の中の最も気高く・誠実な部分を評価し、歴史が人と人との支え合いであるという視点に立って、総ての人の中にある敬うべき人間性を見出すことでありました。
 自分達に何処まで出来るかはともかく。志というところでは出来るだけ高いものを目指して作成をしております。
 紋章の様式美を決めている決定的な要素の分析については、こればかりは文字通り秘術なので語ることはできませんが、数式化した上での人間化。ということです。
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水心
 水引家紋のお店は、リアルも含めて  今現在も成長中であります。  オンラインショップとしてはそろそろ老舗!  地道に気長にやっております。

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